大きな開口がウッドデッキを経て庭へとつながり、その向こうには青々とした隣家の畑地が広がる。「子どもたちが庭で遊んでいると、旬の採れたて野菜をいただくことも。ありがたいですね」（妻）。そんな立地のNさんの家のリビングは、夫が望んだ「とにかく明るく、ドカンとしたでっかい空間」。南側のワイドな窓から入るたっぷりの光が、間仕切りの少ない大きな空間の奥まで届き、家具を最小限にしてスペースを残した床では、子どもたちが走り回ったり、おもちゃを広げたり、のびのびと自由に遊びを楽しんでいる。
　周辺を自然に囲まれたN邸は、家の中も自然の恵みをふんだんに使用。古来より質の高さで知られる岐阜県産材を使っているので強くて丈夫、しかも肌あたりやわらか。さわやかな香りには、ヒノキがもつ抗菌性や森林浴効果があり、幼い子どもたちが長い時間を過ごすにふさわしい健やかな空間だ。
　プライベート空間である2階は、2つの吹抜けを通してリビングとつながる。子どもたちからまだ目が離せない今はもちろん、「思春期を迎えても、さりげなく触れ合いの機会をもてるように」（夫）。家族のつながりを何よりも大切にするN家らしい間取りだ。